仮想通貨とは
仮想通貨はデジタルな通貨の一種です。インターネットを通じて不特定多数の人や企業の間で物品やサービスの対価として使用でき、また専門の取引所を通じて円やドル、ユーロ、ウォンなどの法定通貨と交換することもできます。
仮想通貨は公開鍵暗号、ハッシュ関数などの暗号技術を利用することで安全性を確保しています。行われた取引はブロックという単位にまとめられ、ブロックの連鎖をブロックチェーンと呼びます。このブロックチェーン技術はほとんどの仮想通貨で用いられており、ブロックチェーン上に保存されているすべての取引データは公開・共有される仕組となっています。
仮想通貨の定義
日本の資金決済法では仮想通貨を次のように定義しています。
資金決済法
一 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
二 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
仮想通貨と法定通貨・電子マネーの違い
法定通貨との違い
法定通貨は、公的な発行主体の信用に基づき発行・管理され、紙幣や硬貨といった形で実体があるのに対して、仮想通貨の多くはブロックチェーン技術を活用することで、公的な発行主体や管理者の裏付けなしに流通します。
電子マネーとの違い
電子マネーは、第三者機関のインフラを介して電子的に決済を可能にする決済サービスの一つです。一般的な電子マネーは、自国の法定通貨を利用して電子的に決済を行うために存在しています。
一方、仮想通貨は、紙幣や硬貨を利用せずに電子的な決済を可能にする点では電子マネーと共通しますが、仮想通貨にはブロックチェーン技術を用いることで第三者機関を経由せずに価値の移転を行うことができるという特長があります。
仮想通貨の種類
bitFlyer では 37 種類の通貨を扱っています(2024 年 10 月現在)。
ビットコイン(BTC)
ビットコインは、2008 年に「サトシ・ナカモト」と名乗る人物がインターネット上に公開した論文の中で構想が示され、それを受けて運用が開始された仮想通貨です。
分散型台帳を作る技術であるブロックチェーンを利用することで、公的な発行主体や管理者の裏付けなしにネットワークを介して価値の保存や移転を行える特長があります。
ビットコインは数ある仮想通貨の中で2022 年 7 月現在、時価総額が最も大きいことから、仮想通貨の代表格と言っても過言ではありません。ビットコインから分裂や派生した通貨も多く、仮想通貨の基軸となっています。
イーサリアム(ETH)
2015 年 7 月に登場したイーサリアムは、2022 年 7 月現在、ビットコインの次に時価総額が大きい仮想通貨です。ビットコインがブロックチェーンを利用して取引記録を管理することに特化しているのに対して、イーサリアムは公的な発行主体や管理者なしにユーザーが独自に定義した契約を自動執行できる「スマートコントラクト」を扱えるのが特長です。スケーラビリティー問題に対しては、Plasma と呼ばれる新しい技術によって解決しようとしており、具体的な手法については日夜議論されています。
イーサリアムクラシック(ETC)
2016 年 7 月に登場したイーサリアムクラシックは、イーサリアムが分裂してできた仮想通貨です。イーサリアムと同様に、スマートコントラクトによる利点も兼ね備えているのが特長です。
イーサリアムクラシックは、イーサリアム財団のハードフォーク反対派により立ち上げられ、ハードフォーク前のオリジナルのイーサリアムブロックチェーンを継承しています。
ライトコイン(LTC)
2011 年 10 月に登場したライトコインは、ビットコインのシステムを基盤として生まれた仮想通貨で、採掘(マイニング)にかかる時間が短くストレージの効率性に優れているという特長があります。
ライトコインの総発行量はビットコインの約 4 倍の 8,400 万枚です。ライトコインの平均ブロック生成時間は 2.5 分であり、ビットコインの短所であった送金時間の問題を克服しようとしています。
ビットコインキャッシュ(BCH)
ビットコインキャッシュは、2017 年 8 月にビットコインからハードフォークして誕生した通貨で、ビットコインの課題であるスケーラビリティ問題をブロックサイズの拡大により克服しようとした仮想通貨です。
ビットコインと比べてブロックサイズが 32 倍になっており、手数料の減少にも繋がっています。
モナコイン(MONA)
モナコインは 2014 年 1 月に日本のインターネット掲示板2ちゃんねる(現5ちゃんねる)で構想され誕生した仮想通貨です。2ちゃんねる発祥のアスキーアートである「モナー」が名前の由来と言われています。
仮想通貨が抱えるスケーラビリティ問題とトランザクション展性という2つの問題を解決する SegWit と呼ばれる送金処理システムを導入した世界で初めての仮想通貨でもあります。
リスク(LSK)
リスクは、分散型アプリケーション(DApps)構築のためのプラットフォームです。2024 年 5 月に、リスクは独自のブロックチェーンネットワークから Ethereum ネットワークに移行しました。この移行により、リスクは ERC-20 トークンに変換され、Ethereum エコシステムとの互換性が高まり、低コストで高速なトランザクション処理が実現可能になりました。リスクは、より効率的で安全な DApp プラットフォームを目指しています。