メタバースとは
メタバースとは?初心者が知りたい基本から将来性まで詳しく解説
メタバースとは、ネット上の仮想空間のことです。そこでは、参加者がアバターとなってさまざまな活動をし、土地やアイテムの売買という経済行動も行われています。
今回は、将来性が期待され、ブロックチェーンとも親和性の高いメタバースについてご紹介します。
メタバースとはネット上の仮想空間のこと
メタバースとは、ネット上に構築された仮想空間のことです。多くは 3DCG で空間が表現され、参加者は自分の分身(アバター)であるキャラクターとなって、仮想空間内で行動します。
メタバースの最初のブームは「Second Life」
メタバースは、特に新しい概念ではありません。2003 年にリリースされた「Second Life」というゲームは、一般ユーザーが体験できる、メタバースの先駆けでした。
「Second Life」は 2023 年現在もサービスが続いていますが、その仮想空間の中で参加者はアバターとなって行動し、ほかの参加者との会話だけでなく、建物を建てたり、イベントを開催したりと、まさに現実世界での活動を仮想的に実行できます。また、誰かの作業を手伝うことで報酬をもらったり、自分の土地に建てた建物を賃貸して収入を得たりと、経済活動も活発に行われています。ゲーム内で使われる通貨は、現実の US ドルに交換することも可能です。
ゲーム分野から先行したメタバース
メタバースは、主にゲームの世界で多用されていました。「Second Life」をはじめ、「トモダチコレクション」や「あつまれ どうぶつの森」といったおなじみのゲームも、アバターを使ってゲーム内で行動できるという点ではメタバースそのものです。さらにいえば、「ファイナルファンタジー XIV」や「フォートナイト」も、広義ではメタバースを楽しむゲームといえます。
このように、メタバースを活用したゲームは数多くあります。現実世界と同様の時間経過がある MMORPG(Massively Multiplayer Online Role-Playing Game:大規模多人数同時参加型オンライン RPG)は、その典型なのです。
メタバースと VR の違い
しばしば混同されることも多いようですが、メタバースと VR(バーチャルリアリティ)は別のもの。 VR は、そこにないはずのものが現実に存在するように体感させる技術です。専用のヘッドセットやコントローラーを使って、世界各国の観光地や宇宙空間を体験させてくれます。さらに、VR ゲームの中で、現実にはありえない世界をリアルに楽しむこともできます。
一方のメタバースは、あくまでもほかの参加者との会話や共同作業といった、コミュニケーションを図るための仮想空間です。必ずしも、リアルである必要はありません。
もちろん、VR を活用してリアル感を追求したメタバースも存在します。
メタバースを構成する要素
メタバースについて一通りご紹介してきましたが、続いてはメタバースを構成する要素について見ていきましょう。これらの要素がそろっていれば、メタバースと捉えて良いというものです。
他者と交流できる仮想空間
メタバースはネット上の仮想空間ではありますが、ほかの参加者と交流できることが重要なポイントです。世間話レベルの会話をはじめ、意見交換や情報収集、複数人が集まってのミーティングなど、現実世界と同じようなコミュニケーションをとれることが、メタバースの本質的な意義といえます。
コロナ禍によってテレワークが一気に普及したという社会的な背景もあり、メタバース空間の中にバーチャルオフィスを作るという企業も現れています。そこでは、自分の分身であるアバターが仕事をし、周囲には同僚がいて、気軽に話しかけたり相談をしたりといったことも可能。電話やメールで連絡をとり合う以上にリアルで、しかも快適なコミュニケーションが実現されています。
時間の制約がなく、いつまでも存在し続ける世界
一般的な RPG は、ゲームをプレイしていない間は、ゲーム内の時間は止まっています。ですからプレイヤーは、前回ゲームを中断した場面から、再びプレイすることができます。
しかし、メタバースには時間の概念があり、現実世界と同じように時間が経過しています。同時にゲームエンドということはなく、現実と同様に終わりのない時間が続いていきます。
また、基本的に、参加者の人数に制約がありません。これは、システムの規模や性能によるところも大きいと思われますが、大規模な MMORPG では、100万人を超えるプレイヤーが同時に参加し、ゲーム世界を楽しむことができます。
経済が十分に成立する世界
メタバースの世界では、参加者同士のコミュニケーションと同時に、共同作業やイベントの開催、アイテムの取引といった活動を行うことができ、通貨による取引が可能です。
つまり、暗号資産(仮想通貨)で使われているブロックチェーンの技術をベースにすれば、メタバースの世界の中で暗号資産を使ってアイテムを売買でき、それを現実世界の通貨に換金できるということ。経済が成り立つ世界を作れるというのが、メタバースの大きな特徴といえます。
メタバースでできること
メタバースは、将来的にも大きな可能性を秘めていて、巨大テック企業がこの分野への参入を加速しています。メタバースへのビジネス界の反応はまちまちですが、経済コンサルティング会社である Analysis Group は、「The Potential Global Economic Impact of the Metaverse(メタバースがもたらす世界経済への影響)」というレポートを作成・公開し、その中で「メタバースが世界の GDP に対し 3 兆ドル(約 390 兆円)の規模で寄与する可能性がある」としています。
ここであらためて、メタバースでどのようなことが実現できるのか、期待されていることについて見ていきましょう。
仮想空間上でのイベントを体験できる
メタバースを使えば、オンライン上でライブコンサートやイベントに参加することができます。現地に移動する必要がないため、時間的・コスト的な負担を抑えつつ参加することができます。実際にアーティストによるイベントのほか、ゲームやアイドルのファン交流会、クリエイター向けの展示会など、すでにさまざまなイベントが開催されています。
こうした使い方はビデオ会議システムで実施することもできますが、メタバースを使えば、より高い臨場感を演出できます。登壇者に注目して話を聞いたり、左右を見回して掲示物などを確認したりということも自由。まさに、その場にいるようなリアルさで体験することができるのです。
ビジネスで活用できる
メタバースはゲームの世界だけでなく、ビジネスにも活用できます。代表的な例を挙げれば、オフィスそのものをメタバース化してしまうバーチャルオフィスのほか、現在の EC ショップを進化させたバーチャルショップが代表的です。
バーチャルオフィス
バーチャルオフィスとは、メタバース内のオフィスのこと。コロナ禍によって、多くの企業でテレワークが導入・実施されるようになりました。この仕組みをさらに進めて、仮想空間にセットしたバーチャルオフィスシステムを使えば、よりリアルな環境を整えることができます。
スタッフはそれぞれのアバターで表示され、「商談中」「取り込み中」などのステータスを表示させることで、相手の状態がひと目でわかります。
同僚たちと同じオフィスで仕事をしている感覚で、仕事を進めることができるのです。
バーチャルショップ
バーチャルショップとは、仮想空間内に作られた店舗のこと。店舗内の棚にはさまざまな商品が並び、手に取ったような感覚でズームアップして細部をチェックしたり、寸法や材質を確認したりできます。アバターとなって店内を自由に歩き回ることができますし、店舗スタッフに質問することもできます。
ネットショップ以上のリアル感があり、実店舗に近い感覚でショッピングを楽しめるのが大きな特徴です。
空間を自由に創り出す
メタバース内の空間には、デパートやコンサート会場などを構築することができます。単に現実の建物を模したものを設置するだけでなく、実際に機能するものも存在します。
例えば、スポーツブランドのナイキでは、仮想空間上に「ナイキランド」を構築。スマートフォンに搭載された加速度センサーを利用して、鬼ごっこやドッジボールなど、体を動かして遊べるほか、ナイキのウェアをアバターに着せることもできます。このようなオリジナルの空間も、メタバースであれば現実よりもはるかに低コスト・短期間で作ることができるため、多くの企業によるさまざまな試みが行われています。
なぜメタバースが注目されているのか?
メタバースは、 2021 年あたりから急速に注目を集めるようになりました。その背景にはさまざまな要因がありますが、世界的に猛威を振るった新型コロナウイルスに対する感染防止策という側面が強く作用したのは間違いありません。
それ以外にもいくつかある、メタバースが注目される理由をご紹介しましょう。
デジタルコミュニケーションが定着した
感染防止策として対面接触が減り、その一方でリモートワークの普及によって、コミュニケーションのデジタル化が進化。ビデオ会議やチャットでの会話が日常になり、そうしたコミュニケーションに人々が慣れたことで、メタバースへの抵抗感が薄れていったことが挙げられます。
そして、「ビデオ会議+チャットツール」よりも便利で、手軽に使えるメタバースのシステムが注目を浴びることになったのです。
VR 技術の進化
メタバースは VR と融合することでリアル感がアップしますが、この VR 分野の技術進化が、メタバースの普及に大きく関係しています。
過去の VR 機器は大きくて重いことが難点で、3次元空間の表現もリアルとは言い難いものでした。しかし、近年ではハード・ソフトともに大きな進化を遂げ、軽量化されたヘッドセットや、美しいグラフィックの高速描画などが実現。このこともまた、メタバースが脚光を浴びている理由といえます。
NFT ブームの影響
NFT は、「非代替性トークン」と呼ばれるデジタルデータです。改ざんがほぼ不可能な構造で、唯一性が担保されているため、デジタルアートや画像・映像などを NFT 化することで資産価値が生まれます。NFT は暗号資産と同じく、ブロックチェーンの技術が使われていますから、メタバース上の店舗などで、暗号資産を使った NFT の取引などがさらに活発化することが期待できそうです。
NFTについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
NFT って何? 初心者でもわかる仕組みや買い方、将来性を徹底解説
メタバースとブロックチェーンで生まれる経済圏
前項でも少しふれたように、デジタルデータは NFT 化することで資産としての価値を持ちます。実際にメタバース上の土地や建物、アバターが着るコスチューム、アイテムなどが NFT 化されてブロックチェーンで管理されています。つまり、メタバース上にはすでにデジタル資産と暗号資産による経済圏が出来上がっているのです。
このメタバース上での経済圏が今後、どのように拡大していくかは不透明な部分もありますが、メタバースとブロックチェーンは極めて親和性が高いことから、既存のサービスはより洗練され、新たな充実したサービスが登場する可能性は大きいといえます。
メタバース的なブロックチェーンプロジェクト
メタバース的な世界観を持つブロックチェーンプロジェクトは、いくつも存在します。 2015 年から運用されている「Decentraland」はまさに老舗といえますが、そのほかにも多くのプロジェクトが日々開発されています。
そのうちのいくつかを、ここでご紹介しましょう。
・The Sandbox
「The Sandbox」は、イーサリアム(ETH)のブロックチェーンを使った NFT ゲームです。メタバース上にランドと呼ばれる土地を購入でき、オリジナルのジオラマを作ってほかのプレイヤーを招いたり、イベントを開催したりできます。また、ランド上でオリジナルの 3D ゲームを作ることもできます。
・Cryptovoxels
「Cryptovoxels」も、イーサリアム(ETH)ベースのブロックチェーンを使ったメタバースです。実に多くのユーザーが空間内で活動しており、自分が作ったアート作品やアイテムを展示したり、販売したりしています。これらのアイテムや空間内の土地は、イーサリアム(ETH)で購入可能です。
・Somnium Space
SEO「Somnium Space」は、イーサリアム(ETH)基盤のメタバースプロジェクトです。あらゆるデバイスからアクセス可能ですが、特徴的なのは VR に強くフォーカスしていること。VR ゴーグルやヘッドセットを使うことで、メタバースへの高い没入感を得ることができます。
・PolkaFantasy
「PolkaFantasy」は、日本のアニメ文化に特化した NFT ゲームであり、NFT マーケットプレイスです。プレイヤーはゲームプレイによって、クリエイターは作品を出品することで収益を得られる仕組み。日本のアニメやゲーム業界を牽引してきたプロデューサー陣が関わっていることでも注目を集めています。
メタバースを始めるなら、まず bitFlyer で口座開設を
メタバースはブロックチェーンをベースにしたサービスであり、その中では既存の暗号資産で取引が行われています。メタバースを体験するなら、まずは暗号資産を購入することが第一です。
bitFlyer は顧客満足度No.1※となるなど、お客様にご愛顧いただいています。暗号資産交換業者及び第一種金融商品取引業者として、サービスの拡大・改善を続け、一人でも多くのお客様にご満足いただける流動性の高い暗号資産取引所を目指しています。これから暗号資産を手にするなら、安心して資産を預けられる bitFlyer を、ぜひご検討ください。
※調査概要:2022年11 月期 暗号資産取引所サービスについての市場調査
調査機関:日本マーケティングリサーチ機構
調査時期:2022 年 11 月 11 日 〜 2022 年 11 月 25 日
注意事項(よくお読みください)
暗号資産は法定通貨ではありません。特定の者によりその価値を保証されているものではありません。
販売所取引は、実質的に手数料を含んだ購入・売却価格をお客様に提示しております。そのため、暗号資産の売付けの価格と買付けの価格とに差が発生します。
暗号資産交換取引及び暗号資産関連店頭デリバティブ取引(以下、併せて「暗号資産関連取引」といいます。)をご利用に際してお支払いただく手数料、その他費用、計算方法等は「手数料一覧」に定める通りです。
暗号資産関連店頭デリバティブ取引を行うには、証拠金の差し入れが必要です。
証拠金についての詳細は「bitFlyer Crypto CFD とは?」をご覧ください。
暗号資産関連取引は、元本を保証するものでなく、価格変動により損失が生じることがあります。
暗号資産関連取引を開始する場合や継続して行う場合には、「契約締結前交付書面」等をご確認いただき、取引の仕組みやリスクについて十分にご理解いただき、お客様の資力、取引経験及び取引目的に照らして適切であると判断する場合にのみ、自己の責任においてお取引いただくようお願いいたします。
暗号資産関連店頭デリバティブ取引は、取引金額がその取引についてお客様が預入れる証拠金の額と比して大きいため、その損失の額が預入証拠金の額を上回ることがあります。
電子認証に用いられる秘密鍵もしくはパスワードを失った場合、保有する暗号資産に一切アクセスできなくなり、その価値を失う可能性があります。また、これらが第三者に悪用された場合、お客様に損失が生じる可能性があります。
暗号資産は、代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、また不特定の者を相手方として購入および売却を行うことができます。なお、代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り代価の弁済に使用することができます。
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