bitFlyer コラム

ネムとは

ネム(単位:XEM)は、新しい経済運動(New Economy Movement)の略称で、そのネットワーク上で発行された暗号資産(仮想通貨)です。

国や政府が管理する既存の枠組みではなく、分散化、経済的な自由、平等といった原則に基づいた新しい経済の枠組みを確立することを目標としています。

ネムは、2014 年 1 月 14 日に暗号資産コミュニティの掲示板である「bitcoin talk」にてプロジェクトの発足を発表し、Bitcoin と NXT と引き換えに XEM を配布したのが始まりです。

ネムは国内で根強いコミュニティを持つ暗号資産の一つで、ネム利用者の間では愛好家や保有者のことを NEMber と呼ぶことがあります。

NEM のコンセンサスアルゴリズム

NEM のコンセンサスアルゴリズムは Proof of Importance(略称:PoI、プルーフ・オブ・インポータンス)で、コミュニティーへの貢献度が高い人ほどブロック承認作業に参加できる確率が高くなる仕組みです。

Proof of Stake(略称:PoS、プルーフ・オブ・ステイク)に似ていますが、経済活動への貢献要素が加味されるため、ただ多く保有しているだけでは有利にならないよう設計されています。

NEM で使われている PoI というプロトコルは、ビザンチン障害耐性を持っていることが特徴として挙げられます。また、重要度の重み付けはネムブロックチェーンに刻まれている過去の取引の中での送金量や入金、ネットワークに参加している期間等のデータから総合的に計算されています。

PoS が抱える、長期的に考えると通貨保有率の高い記録者が寡占を行うことができるという課題を解決し、よりフェアな経済圏をつくることができると考えられています。

NEM のブロック報酬をハーベスト

ブロックの生成、検証に参加して報酬をもらうことを、ビットコインではマイニングと言いますが、NEM ではハーベスト、または、ハーベスティングと呼びます。

ハーベスティングに参加するには 2 つの方法があり、通常のハーベストと、より高い性能のノードと XEM を保有することで多くの報酬をもらえるスーパーノードと呼ばれるものがあります。

スーパーノードになるためには、約 300 万 XEM 以上を保有し、定められたスペック以上のコンピュータを用意する必要がありますが、その代わりに報酬としてトランザクション手数料の合計に加えて毎日 14 万 XEM をスーパーノード間で山分けする仕組みとなっています。普通のノード運営を行うためには、1 万 XEM を保有する必要があり、報酬金額はノードの重要度によって変動します。

NEM で発行できるモザイクとは

NEM のブロックチェーン上ではモザイクと呼ばれる独自のコインを発行することができます。NEM の通貨である XEM もモザイクの一つです。

モザイクを用いてステーブルコインを発行したり、社内トークンや投票権として使ったり、個人が自分のトークンを発行するなど様々な利用方法があります。

モザイクを発行する際には「ネームスペース」と呼ばれる NEM 上のドメイン名のようなものを取得し、そのあとモザイクの名称、発行総数、後から発行量変更できるようにするか、小数点以下どこまで分割できるか(0 から 6 までで選択可能)などのパラメーターを決めて発行できます。

カタパルトで新ブロックチェーン Symbol(XYM)へ移行

NEM は 2021 年に大型アップデート「カタパルト」が実施され、これによってシンボル(Symbol)というブロックチェーンがローンチされました。