bitFlyer コラム

ベーシックアテンショントークンとは

ベーシックアテンショントークン(単位:BAT)とは、 Brave というブラウザ経由で使えるユーティリティートークンです。イーサリアムブロックチェーン上のコントラクトで実現されたトークンで、不要な広告やトラッカーをブロックする Brave ブラウザと並行して開発されました。

普段インターネット上でウェブサイトを見る時は Google Chrome や Safari、Firefox などのブラウザを利用されているのではないでしょうか。Brave ブラウザはこれらに代わるプロダクトです。

インターネットでメディアなどを見ていると、様々な広告がウェブサイト上で表示されますが、モバイルデータの通信量やバッテリーを余分に使っていたり、トラッカーによってプライバシーが侵害されていたりする懸念があります。Brave ブラウザはデフォルトで広告をブロックしてくれます。

また Brave ブラウザからの広告(Brave Ads)を見た場合には、閲覧の報酬として BAT を受けとることができ、利用者の広告の閲覧に対価を与えることが BAT と Brave ブラウザの基本コンセプトです。

Brave ブラウザとは

このプロジェクトは、現状広く使われているブラウザよりも快適なユーザー体験を提供し、プライバシーを重視したブラウザを作ることを目的にしています。

Brave ブラウザはデフォルトで広告をブロックし、その代わりに Brave Ads を挿入できます。広告を閲覧するかどうかはユーザーが決めることができ、閲覧した場合は、広告料の一部がユーザーに分配されます。また、利用者は Brave ブラウザを介してコンテンツ作成者に対して投げ銭(チップ)を支払ったり、毎月少額の課金を行うことができ、この課金に使われるのが BAT です。

Brave Ads は 2019 年 4 月に Brave ブラウザに本格導入されたオプトインかつプライバシー保護型の広告です。欧州の GDPR(EU一般データ保護規則)などのプライバシー保護のための法律や規制上の措置を取ることと、ユーザー行動に対する関連性の高いレコメンデーションの提供という相反する機能を両立させようとする学術的な提案は数多くありますが、これを実展開させたシステムが Brave Ads です。

Brave ブラウザは 2015 年に公開され、2017 年にトークンの ICO が行われました。その後、約 2 年間の開発期間を経て、Brave ブラウザを利用したユーザーがトークンを受け取れる機能が 2019 年 4 月に部分的に実装されています。

広告やブラウザ利用に関わる各関係者は以下のように関連しています。

広告主:Brave ブラウザの利用者向けに広告掲載の際に報酬として BAT を支払います。

利用者:広告閲覧に対する報酬として BAT を受け取り、またオンライン媒体に対する投げ銭やマイクロペイメントに BAT を使用することができます。

コンテンツ制作者:ウェブコンテンツを掲載するパブリッシャーは、BAT を報酬として受け取ることが可能で、広告以外の収益手段の選択肢の提供をしています。

Brave ブラウザ上で使う BAT

BAT は単純な投資目的での需要のみならず、Brave ブラウザの広告閲覧に対する報酬として、そしてコンテンツパブリッシャーに対しての投げ銭・マイクロペイメントのために用いられます。

Brave の月間アクティブユーザー数は 2021 年 12 月時点で 5,000 万人と報告されており、2020 年 12 月時点の 2,400 万人から 2 倍以上に増加しています。

また、ユーザーは広告を見ると少額の BAT を受け取ることができ、受け取った BAT をコンテンツパブリッシャーに対するマイクロペイメントなどの用途に利用することができます。

コンテンツパブリッシャーとして Brave に登録すれば、クリエイターとして YouTube、X(旧Twitter)、Twitch、ウェブサイト、Vimeo、GitHub などのプラットフォームで活動し、ユーザーから送られていきた BAT を報酬として受け取ることも可能です。2022 年 7 月時点で計 155 万人近くのコンテンツパブリッシャーが Brave に登録されています。

広告を閲覧すると利用者が報酬をもらえる機能が Brave の主要な用途ですが、上記で示したように広告主、コンテンツパブリッシャーの立場でもそれぞれに BAT の取引が行われる機会があります。

運営企業と創業メンバー

同ブラウザは全てオープンソースで、Brave Software によって開発されています。この企業の創業者ブレンダン・アイク(Brendan Eich)氏は Java Script や Mozilla FireFox の開発にも携わった実績を持つ人物です。

もう一つ特徴的な点は、ブロックチェーンプロジェクトやオープンソースのブラウザを開発するプロジェクトでは非営利団体の形態を取るケースが多くみられますが、Brave Software は株式会社の形態をとり、ICO よりも前に資金調達を行っているため、外部株主が存在している点です。

2016 年 8 月までに、ピーター・ティール氏の Founders Fund などの著名なベンチャー企業から700 万米ドル以上を調達したことが報じられており、トークンではなく株式での調達が行われているため、Brave での利益を分配する株主を外部に持っていることとなります。

これとは別に、2017 年には ICO で 10 億トークンを販売し、3,500 万米ドル以上の調達も実施しています。これは名前の通り BAT を ETH と引き換えに販売する形のものです。2 つのタイプの資金調達を行っていることから、株式の保有者と BAT の保有者という異なるステークホルダーがいます。

Brave の今後と展望

Brave の今後の展開される機能は GitHub で公開されています。各機能のリリース時期はあくまでも予定のため、変更になる場合があります。

また Brave Ads で配信するキャンペーンの平均 CTR(クリック率)やスポンサーによるキャンペーン更新率などの情報を公式ブログで公開されています。2022 年 1 月の報告によると Brave Ads のキャンペーンの平均 CTR は 8% と業界平均 2% 程度と比較すると高いパフォーマンスを示していることが分かります。

費用対効果の高い広告チャンネルであるという認知は着実に進んでいると考えられますが、暗号資産領域以外での展開も今後は期待されるでしょう。