2025年 新年のご挨拶

2025年 「飛躍」から「浸透」へ

明けましておめでとうございます。旧年中は多くのお客様に bitFlyer のサービスをご利用いただき、心より感謝申し上げます。さらに、クリプト(暗号資産)ファンの皆様、政府・省庁関係者の皆様、業界団体関係者の皆様に格別のご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

2024年はクリプトに対する社会の関心が高まった年でした。米国をはじめカナダやドイツなど各国でビットコインの現物ETF(上場投資信託)が上場し、世界中で活発に取引がなされています。ETFを通じて伝統的な金融市場からクリプトに資金が流入するというかつてない動きが起きました。さらに、米国の大統領選挙ではクリプトが争点の1つになり、勝利したドナルド・トランプ氏はクリプトを推進する政策を次々に打ち出しています。クリプトの時価総額は550兆円を突破、中でもビットコインは300兆円を超え、社会の主要なアセットクラスの1つとも言える存在になっています。こうした意味においても、2024年はクリプトが社会に広く認められた年になったと思います。

そして2025年。この流れを確かなものにできるか、正念場と言える1年です。特に日本においては税制が大きな足かせになっていると思います。クリプトは人々の生活を便利に、より豊かにする存在であると世界中の人々が気付きつつあります。そしてそれは日本でも同様です。一方で、クリプトにかかる税率が高いことで利用を躊躇している人は少なくないと思います。新NISAの登場や円安、インフレによって日本社会の投資に対する関心は確実に高まっていますが、クリプトはその関心の受け皿となり、投資の選択肢の1つとなりうる存在です。クリプトが国民の資産形成に資する存在であることを社会や政府に広く理解していただくため、bitFlyerは2025年もお客様にとって価値のあるサービスを提供し、業界をリードしていきます。

2024年 点検と再出発

当社のサービス・プロダクトに関して、2024年は「点検と再出発」の年でした。当社の今日までの成長を支えてきたレバレッジ取引のプロダクト「bitFlyer Lightning FX」をリニューアルし、新たに「bitFlyer Crypto CFD」の提供を開始しました。お客様から長きにわたってご愛顧いただいたプロダクトの刷新で大きな挑戦でしたが、おかげさまでリニューアル前を上回る取引量が続き、お客様から評価していただけたと考えています。

また、「取引所がお客様に提供すべき価値は何か」という原点に立ち返り、取扱い銘柄数を大幅に増やしました。2024年に追加した銘柄数は16で、年間で追加した数は国内取引所の中でトップです。今後もお客様の声に耳を傾け、適切な銘柄の追加に取り組んでまいります。

さらに、2024年は新たな挑戦に取り組んだ年でもありました。その1つがFTX Japanの買収、そして「Custodiem(カストディエム)」の立ち上げです。クリプトの現物ETFの上場によって伝統的な金融市場からクリプト市場に資金が流入する動きは近い将来、日本にも必ず訪れると考えています。その時、ETFの裏付けとなるビットコインを安全に保管し管理する機能が必要です。そして、クリプトの管理には特別な技術とセキュリティが不可欠です。既存の伝統的な金融機関は法定通貨や証券の取扱いには長けていますが、それと同じようにクリプトを扱うことは極めて難しいと考えています。創業から今まで、独自のテクノロジーとセキュリティのもと、クリプトを安全に管理し続けてきた bitFlyer だからこそ、機関投資家向けのカストディ事業を担えると考えています。この事業の実現に向けて、FTX Japan の社名を「お金を預かる」という意味を込めて「 Custodiem(カストディエム)」に改め、機関投資家向けのカストディ事業に取り組む方針です。

そして、bitFlyer は日本で唯一、グローバルに暗号資産交換業を営んでいます。米国では「bitFlyer USA, Inc. 」、欧州では「bitFlyer EUROPE S.A. 」が現地の法令を遵守し、世界中に bitFlyer のサービスを届けています。特に bitFlyer EUROPE S.A. は 欧州で新たに導入される暗号資産規制の枠組みである「MiCA(Markets in Crypto-Assets)」に対応し、これまで以上に顧客保護を重視した透明性の高い取引環境をご提供してまいります。

史上初の「 1 兆円」 超え

2024年は bitFlyer にとってもう1つメモリアルな出来事がありました。お客様からお預かりする資産の総額が日本で初めて 1 兆円を超えました。2024年12月時点では1兆3,000億円に到達しました。1 兆円という規模は一部の地方銀行の預金残高に相当する水準で、社会から広く信用を得ている預金取扱金融機関と肩を並べる存在となったことに身の引き締まる思いです。bitFlyer は創業以来、セキュリティを経営上の最優先課題として位置づけ、今日まで一切ハッキング被害を受けることなく事業を続けてまいりました。今後もお客様から信頼され、安心してご利用いただける取引所を目指してまいります。

セキュリティは最重要課題 今一度見つめ直す

暗号資産交換業者におけるセキュリティの重要性が増しています。最も重要なのはお客様の大切な資産を安全にお預かりし、安心してご利用いただける取引環境を構築することです。当社はこの原点に今一度立ち返り、本年もセキュリティの強化に不断に取り組んでまいります。

2025年 クリプトの魅力をもっと「届ける」

クリプトに人々の関心が集まる中で、取引所に対する注目はさらに高まると考えています。業界の黎明期からお客様にサービスをご提供してきた bitFlyer だからこそ、クリプトの本質的な価値と便利さを多くの方々に理解していただく役割を担っていると考えています。

そうした意味で、2025年はお客様の多様なニーズにお応えするサービスやプロダクトをご提供してまいります。具体的には、ご要望をいただいているイーサリアムのステーキングサービスを2025年初頭にご提供する予定です。取引所や販売所を通じた売買による収益機会のみならず、保有することで得られる収益機会をご提供します。

また、2024年12月にご提供を開始した定期貸しコインサービスは想定を上回るお申込をいただき、お客様の確かなニーズを感じています。こちらも保有することによる収益機会をご提供するサービスであり、引き続きお客様のご期待に応えてまいります。

bitFlyer グループは本年も創業から変わらないミッションである「ブロックチェーンで世界を簡単に。」の具現化に向けて、既存サービスの拡充や新たな挑戦に取り組み、より多くの方々にクリプトの魅力を届けてまいります。

本年も bitFlyer グループを何卒よろしくお願い申し上げます。

bitFlyer Holdings 代表取締役CEO

加納 裕三