2024年 新年のご挨拶

創業10年の節目 次の10年をつくる最初の年

明けましておめでとうございます。旧年中はお客様をはじめ暗号資産ファンの皆様、政府・省庁関係者の皆様、業界団体関係者の皆様、株主の皆様に格別のご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

2024 年は私たち bitFlyer グループにとって特別な年です。クリプトウィンターと呼ばれるほど業界を取り巻く環境は厳しい状況が続きましたが、税制改正を始めとした事業環境の改善に加えて市況も上向く中で、今まさに長かった冬が終わり、春を迎えたと受け止めています。

当社も昨年、私が bitFlyer Holdings 代表取締役 CEO に復帰して組織を再構築し、春に向けた準備を着実に積み重ねてきました。そして、本年は創業 10 年という節目であり、新体制のもとで会社を新たなステージに引き上げます。

振り返るとこれまでの 10 年は、暗号資産のマーケットを日本に生み出し、ブロックチェーン技術を普及させた期間でした。そしてこれからの 10 年は、暗号資産が人々の暮らしや資産形成に、ブロックチェーン技術が社会インフラに「欠かすことのできない、当たり前の存在」になっていく 10 年だと確信しています。その最初の年である本年、bitFlyer グループは攻めに転じ、飛躍の 1 年にしていきたいと思います。

2023 年を振り返って

昨年 3 月に bitFlyer グループの代表に復帰してから、前経営陣が残した多くの課題に向き合い、一つひとつ着実に解決してきました。また、海外拠点の bitFlyer USA, Inc. や bitFlyer EUROPE S.A. との連携を強化し、グローバル企業としての一体感を再構築しました。当社の強みは「創業以来ハッキング被害ゼロ」であることです。この高いセキュリティレベルを継続し、さらに向上させるための体制づくりに注力した 1 年でした。

事業環境をめぐっても大きく改善した1年でした。私自身も日本ブロックチェーン協会(JBA)代表理事として暗号資産の税制改正に取り組んでおりますが、 2 年連続で山(難しい税制改正)を動かすことが出来ました! 1 つは法人が保有する暗号資産の期末時価評価課税の問題です。自社発行分が対象外となったことに加えて、 12 月に閣議決定された税制改正大綱で、第三者が保有する暗号資産についても継続保有などの条件を満たせば期末時価評価課税の対象から外すことが盛り込まれました。これらの改正によって、暗号資産を通じた資金調達の環境が飛躍的に向上します。海外からの日本への投資も進むでしょう。私たちにとっても、提供するブロックチェーン技術「Miyabi」を活用してもらうチャンスがさらに広がるほか、トークンの発行による資金調達を、より多くの事業者様に取り組んでいただける事業環境が整備されたと受け止めています。

さらに、マーケットの動向も潮目が変わりました。ビットコインでいえば、2023 年当初に 210 万円余りだった価格は年末には 600 万円を超えるまで上昇しました。要因はさまざま語られていますが、1 つはビットコインの現物 ETF(上場投資信託)が近く米国当局により承認されるのではないかという観測が広がっていることです。ビットコインに紐づく ETF を証券取引所で売買できるようになれば、これまで暗号資産に投資したことがない人の新規参入を促すことにつながり、市場規模の拡大が期待できます。マーケットをみても長かった冬が終わり春を迎えようとしています。

2024 年の展望と抱負

日本においてはこれまで、2018 年に発生した国内取引所のハッキング事件などを受けて世界の中でも極めて厳しい法規制が整備されてきました。一方で、それが結果的に顧客資産を守ることにもつながっています。 2022 年 11 月に起きた米国の大手取引所 FTX の崩壊では、厳しい法規制のおかげで FTX Japan の顧客資産は守られたと報道されています。日本では過去の苦い経験を教訓に一つひとつルールが明確化され、私たち取引所も多くのコストを投じてそれに準じた対応をとってきました。その結果、「世界で最も厳しいルール」は「世界で最も先進的なルール」として機能するようになりました。実際に、例えばステーブルコインや IEO 、 NFT の分野でも事業に取り組みやすい環境が構築されつつあります。日本は再び暗号資産の世界の中心地として、グローバルから注目される年になると思っています。こうした環境のもと、私たち bitFlyer も攻めに転じて、お客様にご満足いただける 1 年にしていきたいと思います。

私たち bitFlyer グループは「ブロックチェーンで世界を簡単に。」という創業時からのミッションの具現化に向け、社会的な課題をテクノロジーで解決し、世界中の人々の生活をより便利にすることを目指しています。 

社員一同「One Team, One Dream」を掲げ、「アジア No.1 の web3 カンパニー」を目指して新たな 10 年の歩みを作っていきます。

本年も bitFlyer グループを何卒よろしくお願いいたします。

bitFlyer Holdings 代表取締役CEO 加納裕三